令和7年4月新たな認定こども園が開園!
子どもの意欲を尊重した保育で成長をサポート
町では、町民の皆さんの子育てをさらに応援するため、中心市街地にできる文化施設内へ認定こども園の誘致を決定し、事業者を選定しました。現在、令和7年4月の開園を目指して、施設整備・運営を担う社会福祉法人ガジュマルと共に計画を進めています。
今回の特集では、社会福祉法人ガジュマルが運営する「ひよ子こども園かみみね」の池松園長に、新たな認定こども園の構想や子育て環境のこれからなどについてお話を伺いました。
ひよ子こども園かみみね
園長
池松英治(いけまつひではる)
プロフィール
小学生から大学受験までの学習塾の運営及び指導。
令和元年、社会福祉法人ガジュマルが運営する「ひよ子こども園かみみね」の園長に就任。
新たな認定こども園の開園に向けて
Q.認定こども園新設の経緯と、開園に向けての期待や意気込みをお聞かせください。
町からの公募があり、待機児童の対応と医療的ケア児の受け入れ体制整備が必要だと発表されていました。
それを受け、鳥栖市で医療法人如水会今村病院の院長も務められている社会福祉法人ガジュマルの今村一郎(いまむらいちろう)理事長が「医療的ケア児ならうちが受け入れなければ」と手を挙げ、現在開園に向けて動き出しています。
立地が良く、建物もおしゃれ。見た目はもちろん、その中に医療的ケアルームを整備するほか、療育支援の設備も整えたい。看護師も常駐するので安心です。運営主体が医療機関だからこそできることですね。
また、上峰町には待機児童がいますが、新しく認定こども園ができることで多くの園児を受け入れられるようになります。人口が増えている上峰町では、きょうだい別々の園に通っていたり、近隣の人に協力をお願いしたりする親御さんもいらっしゃるので、新たな認定こども園の誕生が待機児童解消の一助となり、子育てしやすい環境づくりにつながれば嬉しいです。
理想の保育を目指した改革
Q.池松園長はどのようなご縁で「ひよ子こども園かみみね」の園長に就任されたのですか? また、就任当初の園の様子を教えてください。
旧知の仲である今村理事長から「ぜひ幼児教育の方にも来てほしい」と誘っていただいたのがきっかけです。
当時は園児数90人に対して職員数がわずか19人と、ゆとりのない環境で、どこかピリピリした雰囲気があったように思います。
また、長年学習塾経営を通して教育に携わってはきましたが、小学生以上と園児たちとでは何もかもが違い、根底を覆された思いでした。
こども園での日々は目まぐるしく、毎日何かしらのハプニングがあります。
その中で先生たちが瞬時に判断・対応し、子どもの安全を守りながら育む姿を見て、尊敬の気持ちは増すばかり。
それは就任当初から実感していたことだったので、もっと先生たちにとって「理想の保育」ができる環境を整えたいと思い、数々の改善を重ねていきました。
Q.これまでどのような改善・改革に取り組まれてきましたか?
まず、保育のプロである先生たちが資格を持っているからこそできる仕事に注力できるよう、掃除や配膳などを任せられる保育補助を雇いました。
常に子どものことに一生懸命な先生たちのエネルギーを、子どものこと以外で取られないようにするためです。
さまざまな改革を経て、年休も全員が100%取得できるようになりました。現在では「ここで働きたい」と思ってもらえるこども園へと変化しました。
今では就任当初の倍にもなる38人が働き、園児数も130人まで増えています。
さらに、一斉保育から子ども主体の保育へとトレンドが変わったことも後押しし、子どもたちがやりたいことを積極的にできるような保育方針へと転換。
顧問に「しまじろう」を考案されたお茶の水大学名誉教授の内田伸子(うちだのぶこ)先生を迎え、遊びから得られる学びを大切にした結果、園児が休みの日まで「園に行きたい」と心待ちにするようになりました。こうした成果から得られた学びは、新たにできる認定こども園でもしっかりと生かしていきます。
子ども主体・保育士主体のこども園
Q.子ども主体の保育を実現するために、園として心掛けていることは何ですか?
子どものやりたいことをさせてあげられる環境整備はもちろん、先生たちが遠慮なく意見を言えるような雰囲気づくりです。
ひよ子こども園かみみねでは「子ども主体の保育はこうしなければいけない」と特定の何かを示さなくても、先生たちが自主性を持って試行錯誤しながら取り組んでくれています。元来子どもが大好きな先生たちなので、自ら考えてどんどん保育を推進されるんです。
職人さんを雇って、先生たちから出る数々のアイデアを実現しやすくしています。これまでに園庭にトラックで砂を運び入れて築山を作り、土管を入れて子どもたちの秘密基地も完成しました。
きっと他の園の先生にもアイデアはたくさんあるでしょう。私たちの持ち味は、その実現しやすさとスピード感です。
今村理事長は大の子ども好きですし、私も先生たちの自主性を尊重しているので、先生たちの「こうしたらもっと良くなる!」というアイデアを形にしやすいんです。
子どもを愛する先生たちが考える「理想の園」は、子どもたちにとっても理想の園になると信じています。
だからこそ先生たちには、自由な発想で意見を言ってほしいですね。
町民の皆さんへメッセージ
Q.町民の皆さんへひとことお願いします
新たな認定こども園は素晴らしい設備が揃いますし、人が集うにぎやかな場所に誕生します。まずはその点への期待を肌で感じているところです。
私自身、幼児教育から大学受験までの教育に関わってきて、子どもたちには広い視野で、長期にわたった支援が必要だと考えています。そのためにも子どもたちが集まる場を作っていきたいし、保護者の方には「主体性が身につく子どもとのかかわり方」等についてもお役に立てればと思っています。
町では同じ敷地内に子育て支援施設を併設する計画があるとのことなので、とても注目していますし、連携していきたいと思っています。
上峰町は子育て支援も保育者支援も手厚く、子どもを育てやすい町だと思います。
さらに良い子育て環境を整え、子どもたちがのびのびと豊かな心を育んでいけるよう頑張りますので、どうぞご期待ください。